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『お道具&竹竿マニア』なアングラーが、フライフィッシングをキーワードに、
道具や森羅万象、さまざまなモノ、コト、を『辛口&主観的』な視点で書いています。

2013/10/10

グラスロッドのこと その1




ここ数年、グラス素材を使ったフライロッドがブームになっているような気がします。

その実態といえは、新らしい素材やブランク構造も目新しいものがなくなり、新しい釣り方の提案もひとまわりしてしまって、新規の大きな需要を喚起できなくなったフライ業界が、一部の好事家以外の釣り人にとっては既に終わってしまった過去のモノとして忘れ去られていたグラスロッドに目を付けた、ということだけだと感じます。

いろいろなメーカーのコピーを見ても、グラス素材が最新のグラファイト素材より優位だと積極的に書いているメーカーは少なく(いや、ごく小規模なビルダーを除いては、ないかもしれません)、なんとなく積極性に欠けるものが多いですよね。

キャッチコピーに多く見られるのは、
『バンブーロッドのようなフィーリング』
でしょうか。

◯◯◯のような×××

簡単にいえば、代用品。
もっとあからさまにいうと「まがいもの」、似て非なるモノってこと。
本音は、自社の最新のグラファイトロッドの方がすぐれているよ、ってことです。

つまらないですよね、こんなのって。


もうひとつは、なんとなくよくわからないけど魅力がある。
という表現でしょう。
いちばん多いのは、ノスタルジックな、伝統的な、という言葉でしょうか。

同じような表現は、これまでバンブーロッドについてもよく語られていたのですが、プラクティカルな釣り人にとってはあんまり意味を持たない言葉です。
ただ、竹竿の世界においては、竹竿にしかできない機能を持ったフライロッドを具現化するメーカーが生まれてきています。

そして、フライロッド以外の釣竿の世界では、グラスロッドの持つ特性がその釣りにとって最も優れているという場合があり、そのために新しいグラスロッドが創り出されている、という事実もあります。


フライロッドとしての必然性をグラス素材で作られるロッドの中に見つけ出せるのかどうか。
そしてロッドメーカーがこのことを見いだせるかどうか、が、フライロッドとしてのグラスロッドが持つべき未来への展望だと思います。



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