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『お道具&竹竿マニア』なアングラーが、フライフィッシングをキーワードに、
道具や森羅万象、さまざまなモノ、コト、を『辛口&主観的』な視点で書いています。
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2018/10/23

オリジナル "LOOP REEL" の使い方

約30年ほど前に開発されたラージアーバー・フライリールの元祖ともいえる "LOOP REEL" は、LOOP というブランドを離れたあとも、製造元であった Danielsson 社で "Fly Reel ORIGINAL-Series" として、外観はわずかに変わりましたが、構造的には同じものとして今も作り続けられています。




http://shop.danielsson-flyreels.se/en/fly-fishing/fly-reels/original-fly-reel/

Even today, 30 years later, the Original Danielsson fly reel has no equal when it comes to low spool weight and extreme low startup inertia. The secret lies in the six bearing assemblies which provide a symmetrical cradle for the spool. The design utilizes the bearing’s own friction by preload. This means that you can set a low starting resistance and still avoid overrun or backlash. The practical benefit means you can fish with VERY thin tippets and maintain complete protection and control.





この "LOOP REEL" は私が愛用しているリールのひとつで、その独創的な構造から、基本的には「壊れる部分がない」と言っていいほどの丈夫なフライリールです。

機構的にはスプールをベアリングで両サイドから押し付けることで回転にテンションを掛けてスプールのオーバーランを抑えるというシンプルな構造で、ドラグもクリックも無いのですが、だからといってそれが問題になることもなく大きなサイズのものはサーモンやスチールヘッドの釣りにも十分使えるフライリールです。

ただ、このリールには使用するにあたってひとつだけ注意すべき問題点とも言えるポイントがあります。




このリールを不用意に地面に置くと、剥き出しのスプールやベアリングの回転部分に微細な砂やシルトが付着してスプールを回すとガリガリと引っ掛かったり、酷いときはまったく回転しなくなってしまう場合があります。
それはほとんどの場合、上記の写真のように水中の砂地の上にリールを置いて釣った魚との記念撮影をしたときに発生します。
魚をリリースして、さあ次へ、というときに、
「あれ、リールが引っ掛かって回らない」ってなってしまうわけです。
そのときムリヤリにリールを回してしまうとスプールに傷が付いたり、酷い場合はベアリングを痛めることになってしまいます。

そのときは慌てずに、スプールセンターのネジを緩めてから水中でクルクルと回してやってください。引っ掛かっていた砂粒などが水で洗われてリールの回転は復活するはずです。

オリジナル "LOOP REEL" で注意すべきもうひとつのポイントは、釣りが終わったらすぐにスプールセンターのネジを緩めてベアリングとスプールを圧着から解放してやることです。
これを忘れてセンターのネジを釣りをしているときのテンションを掛けたままで緩めずにしていると、表裏で6個あるボールベアリングの周囲に巻かれている樹脂に凹みが出来てスプールの回転がカクカクしたスムーズではないリールになってしまいます。
中古のLOOPで回転がカクカクしたものが多いのは、ほぼ全てこれが原因です。

またシンプルな構造ゆえに手入れをせずに放置されていた個体では、ベアリングに異物が混入していたり、オイルの欠乏や劣化で回転が硬くなっているものがあります。
その場合は現代の良質なメンテナンススプレーやオイルを使ってある程度は回復させることが可能です。

その辺りの注意さえ怠らなければ、このオリジナル "LOOP" はシンプルかつ使いやすく、また落とした程度では壊れないので釣りの現場で使用不能になることも少ない信頼性の高いリールだと思います。


2014/02/10

数年ぶりに浅草へ行く

浅草に行けばまずここ、
浅草寺門前「仲見世」です。
なんてったって、お上りさんですから。

数年ぶりに、つるや釣り具店さんの『ハンドクラフト展』に行ってきました。

好景気を演出するアベノミクスのおかげなのか、

「例年より、出展者さんも来場者も多かったよ」
と、毎年出展している友人が言っていました。

『アルケミータックル』も、友人のブースの片隅を借りて、小さく「展示」させていただきました。
だって、売り物が・・・。


開発中のグラスロッドと・・・


竹内重利さんのエングレーブが施された
"The Alchemy Japanese Trout Reel"

今回の上京の目的は、

竹内さんにエングレーブをしていただいたリールを見せびらかすこと、と、

いま開発しているグラスロッドのプロトタイプを、つるやさんのショウに集う、ひと癖もふた癖もあるロッドメーカーさんや、ロッドマニアの方に、実際にこの竿を振ってみていただいて、どのような評価を得られるか、を自分の耳で聞いてみたかったから、です。

このグラスロッド、かなりのパラボリックアクションなので、どう評価されるか、にはかなりの疑問をもっていました。
でも、実際に振って頂いた、作る方にも使う方にも百戦錬磨のベテランの皆様から、たいへんな高評価を頂き、私の開発方向が間違っていなかったということで、ひとまず安心いたしました。

あとは、最後の詰めを残すだけです。



リールメーカーとして、個人的に興味があったのは、この"NAKA FLY REEL MAKER"さんです。


NAKA FLY REELS

これらのリールは、すべて、細かなパーツのひとつひとつまでも、市販品は使わずに、おひとりで製作されています。

ほんとうの意味でのハンドメイドですね。

写真ではわからないかもしれませんが、このリング部分のニッケルシルバーの細工、そしてハードラバーの仕上げのすばらしさ。
それに内部構造の面白さ。

リールを作ったもの、作ろうと試みたもの、だけにしかわからない、完成までに途方もない手間と、長い時間が掛かったリールです。

リールメーカーの私が、いま、いちばん欲しいリールですね。

正直にいって、他に出展されていたリールとは目指している次元が違います。
ほんとうに、すばらしい!

もうちょっと、ここがこうなっていれば・・・、
っていうポイントも、いくつかあるんですが、そんなことは些細なことですよね。



NAKA FLY REEL


そして、この菊地さんの竹竿です。










普通のニッケルシルバーのフェルールに見えるでしょ、

でも、これはグラファイトフェルールなんですよね。

もう、マリオのグラスフェルールなんて・・・






あと個人的にいちばん興味があったのは、これ。

いにしえの博物学図鑑。

モノクロ版画に手彩色っていうのが凄いです。








シェフさんと、ハッピーフェイストラウトの井澤さん
なにを話しているんでしょうか・・・

2014/01/28

エングレーブの魔術

お正月が終わって、やっと日常のスケジュールに戻ったある日、

「あけましておめでとうございます。なんか凄いものが届きましたよ!!」
 というメッセージがフェイスブックに。


それが、これだったのです。


エングレーブを施された、
Alchemy Japanese Trout Reel


いまから1年以上前のことです。

某タックルメーカーさんの事務所で、金属部分にエングレーブを施されたベイトロッドのグリップを目にした瞬間に、そのエングレーブの放つ魅力に引き込まれてしまいました。

そのエングレーブが、この国の銃器彫刻における第一人者の手になるものだと聞いたときに、カスタムナイフのコレクションを持っていたこともあり、エングレーバーの名前に閃くものがありました。
まさかとは思いながらも、その方のお名前をうかがってみると、やはりというか、想像通りのお名前がでてきたので納得するとともに、あの竹内重利氏が釣りの道具にエングレーブをしていた、ということに驚いてしまいました。

というのは、ご面識はないまでも、いろいろと耳に入る噂では、竹内重利氏は昨今ではほとんど仕事を受けることはない、よほど気に入った銃器にしか彫刻をしない、一見のお客さんからの仕事は受けない、などなど、釣りの道具や、まして私には縁のない方だと思ってたからです。

そのグリップを見ながらエングレーブのことをいろいろ話しているうちに、ふと、手持ちのバイメタル(ロンズとニッケルシルバー)で作ったフライリールにエングレーブを施してみたくなり、そのことを尋ねてみると、

「どうなるかはわからないけど、竹内さんに頼んでみましょうか」
「え、ほんとですか、こんど来るときにリールを持ってきますね」

という風なやりとりで、とにかくリールをお預けすることになりました。


竹内氏からはなんの音沙汰もないまま1年以上が過ぎていきました。

それが、今年になって突然、この作品が届いたのです。











昨年の後半から、グラスロッドを作ることに集中していたので、竹内氏の元に預けていたこのリールのことは、ほとんど忘れていました。


事務所に行って、このリールを初めて目にして手に取ったとき、その存在感の強さと、インパクトの強さにゾクッとして、全身の毛が逆立つような感触が走りました。

竹内重利氏の施したエングレーブは、それほど凄かった。

このリールは、オリジナルとはまったく別物となって帰って来たのです。


「お預かりして竹内さんに送ったものの、気に入ったものにしかお仕事をされないという方なので、実際に仕事をしてくださるかどうかは半信半疑だったのですよ」
「実際のところ、あまり仕事は受けていらっしゃらないですし、頼まれても断った、という話ばかり聞きますしね」
「このリールはすぐに送り返されてはこなかったので、どうなのかなあ、とは思っていたのですが、よかったです」
「竹内さんは、なにか、このリールに感じるものがおありだったのでしょうね、きっと、このデザインが形になるまでに時間が掛かったのでしょう」

などと聞くと、素材のリールがよかったんだ、と嬉しくなりました。
なにしろ、このリール、私のショップの製品ですからね。


ENGRAVED BY S. TAKEUCHI
竹内重利氏のサインが入っています。

おそらく、日本にただ1台しかない、竹内重利氏の彫刻が施されたフライリールです。

あ、実物はもっと凄いですよ。


For Sale 280,000. JPY plus shipping







2014/01/21

グラスロッドを作ってみる その2

グラスロッドを作るときのモデルにした竿、その1

MARIO WOJNICKI 217P4
オーナーネーム入り

1970年代の終わり頃に作られた、WINSTON のいわゆるストーカーシリーズのグラスロッドや、SCOTT POWER PLY のグラスロッドは当時から持っていて、それなりに気に入ってはいたのだけれど、グラファイトロッドや良くできた竹竿を使うようになってからはほとんど使うこともなく、そのうちに1本2本と手元から離れていくことになってしまいました。

あるとき、MARIO WOJNICKI とメールで遣り取りをしているなかで、すごくいいパラボリックのグラスロッドを作ったんだ、と聞いてオーダーしたのがこの竿でした。



MARIO WOJNICKI 217P4
7'2" #4 LINE

この竿は、Mario がありもののブランクを改造したオリジナルロッドではなく、まったくオリジナルのブランクから作った竿だそうで、グラスやグラファイトロッドでは他に類のない逆テーパー構造のバットを持っています。
そのためもあってか、これまでに使ったどのグラスロッドともあきらかに違う感触を持っていました。

グラスロッドに詳しい方の分析によると、この竿の素材はEグラスで、ブランクはラミグラス製であろうということです。

この217P4は、グラスロッドによくある鈍くモッタリした感触や、キャスティングするときにロッドのダルさを感じることがなく、キャスティング中の振幅にブレを感じることもありませんでした。
また大きな魚をランディングするときに胴ブレがすることもありません。
ブレがないということは、製造過程でスパインのコントロールが巧くなされているということです。
例えるとすれば、良くできた竹竿のように抜けがよく、スラックの入らないラインをスムーズに伸ばし、フッキングした魚をスムーズにランディングすることのできる竿でした。


全体的なアクションはマリオの説明どおり、確かにパラボリックで、それにもかかわらず持ち重りも感じません。その頃持っていた往年の Russ Peak のグラスロッドよりも優れていると感じた唯一の竿でした。
これは、Russ Peak のグラスロッドが劣っているということではなく、同じグラスロッドとはいえ、現行の GFRP がより高密度で高強度な樹脂から構成されているゆえに、同じ強度や反発特性を得るために使用する材料の総重量が軽くなっているからだ、と考えています。
簡単に言えば、同じアクションの竿(まったく同じではありませんが)を作ると、より軽くできるということですね。

フライロッドの場合、必ずしも軽ければいいというわけではないようですが、竿を軽くすることのいちばんのメリットは、モーメントが小さくなるので、ロッドティップを加速しやすく、静止させやすいことです。それゆえに設計の自由度が上がることは間違いないと思います。


この竿を手にしてから、再びグラスロッドに興味を感じて、Mario の他のモデルを始め、SCOTTの新しいグラスロッドなど数本を買ってはみたものの、どの竿も一長一短でどこかに不満を感じてしまい、トータルとしての性能では、この217P4以上のグラスロッドは見つからないままになっていました。


竹竿のなかには、同じメーカーの手による竿でも、まれに『これは他のものとは違って断然凄い』と感じるお宝ロッドが存在するのですが、この217P4はあきらかにその類の竿でした。
グラスロッドの場合、ブランクが同じモデルにおける個体差は非常に小さいはずなので、217P4という竿がお宝ロッドだという可能性が強いと思います。

ちなみに、僕がグラスロッドを作るときの参考にした、他の個体の217P4も、やはり凄くいいアクションの竿でした。



2013/09/21

ハイテクリールって、どうなの? その4

LONARD MILLS & ALCHEMY
ふたつの Model 50





























ハイテク・フライリールの"HATCH 3+"をニジマス釣りでしばらく使い続けてから、
通い慣れたいつものエリアで、1日の釣りの前半を"HATCH 3+"、後半を伝統的なクリックだけしか持たない"ALCHEMY Model 50"で通してみました。

そして、この9月、ニューヨーク州のキャッツキル界隈やオーセイブルリバーでの鱒釣りを終えて、自分なりの結論を出してみました。

その結論は、クラッシクなリールもハイテクリールも、どっちもどっちだなあ、という漠然としたもの。

僕がこの"ALCHEMY Model 50"リールを作り始めた2004年当時、ドラグ付きのリールは小型とはいえ重いものしかなかったので、ライトタックルの釣りでは、ハーディやオービスなどが作っていたシンプルで軽量なクリックリールのもつ優位性は自分なりに明白だったのですが、最近になって軽量かつ軽いテンションでも効果的な優れたドラグを持つフライリールが出てきたので、どうなのかなあ? 
と思って始めた実験でしたが、

『トラウトフィッシングに使うフライリールは、基本的な機能さえ満たしていれば、ドラグの機能はあまり釣りの結果には影響しないんじゃないか・・・』

という、自分的には予想されていた結論にふたたび至ってしまいました。

ただひとつ、これも予想できていたことなのですが、フライリールの直径がフライフィッシングで釣りをするすべての過程において、使い勝手にかなり大きな影響を与えるということがわかりました。
このリールの直径は、ドラグのあるなしよりも釣りのプラクティカルな部分に大きな影響があると思います。
ラインへの巻き癖の付きにくさと、ラインを回収するときの巻き取りの速さが、フライフィッシングというけっこう面倒くさい釣りをやたらと安易に、簡単にしてくれるのです。
これは、フライフィッシングの経験が豊かな人ほど実感できるのではないかと思います。

フライフィッシングでいちばんやっかいなこと、
それは、リールからは引き出したものの、いまは必要のない、手元に弛んだいらないラインをどう処理するかなんですね。

この手元や足下にある、ループ状に弛んで緩んだライン。
これがあらゆるトラブルの元凶になってしまうのです。

フライフィッシング以外には、リールを使った釣りで釣りをしている最中に余ったラインが弛むということはほぼありません。
それよりも、ラインが緩んだら即トラブルで釣りにはならない、と言った方が適切かもしれません。

僕にとって、フライリールのラージアーバー化はあきらかな効果を感じるけれど、ドラグに関してはラインを引き出し、引き出されるときにバックラッシュさえしなければ必要十分だということです。

そう考えると、初代のLOOPリールって、ほんとうの意味でのフライリールの革新でした。
それに1900年代前半のHardyに見られる一群のラージアーバータイプのリール。
これらのリールを見ていると、いまさらながらに一部の釣り人やメーカーがリールの改良に掛ける情熱や意志は凄かったんだなあ、と、感心してしまいます。




2013/05/17

ハイテクリールって、どうなの? その3


"Model 50"(ドラグなしクリックのみ、小径スプール) と、市川のニジマス

いつもの愛用リール、"Alchemy Tackle Model 50" を使用した前回の釣行の記録から。

『ドライフライで7匹掛けて、1匹は切られ、3匹は途中でフックが外れた。
ティペットが細いので、フッキングがどうしても甘くなってしまう。
6Xだとガツンとあわせるのは不可能なので、こんなものか・・・』

『最後のヤツは視界の片隅にライズらしい波紋が見えたのを直撃して掛けた魚。
ジャンプするわ走りまくるわで、逃走経路をふさぎながら川のなかを追いかけ回してたら、びしょ濡れになった。』

『切られたのは、手元で下に落としたラインが木の根みたいなのに引っ掛かって、走るマスにあわせてラインを伸ばしてやれなかったから。
いらないラインはこまめにリールに戻しとかんとあかんね~(--;)』


この日は、7匹掛けて、1匹ラインブレイク、3匹ばらし。
ランディングの成功率は、3/7 ≒ 43%


"HATCH 3+"(もちろん、ドラグ+ラージアーバー、カウンターバランスのフル装備) と、神河CRエリアのニジマス 


そして、今回、ハイテクリール HATCH 3+ を使用したときの記録はこれ。

『高性能なドラグは、海では必要やけと、川では絶対に要るとまでとは言えんね~
ただ、ラージアーバーは、手元や足元に余ったいらんラインの始末が楽になるのは確かやわ。
ラインの最後のほうまで癖つかないしね、
もうちょっと試してみるわ。』

『デカイのバラした!Σ( ̄□ ̄;)
おもいっきり上下に走り回ってジャンプ3回、対岸の石の下突入はくい止めたけど、凄い速さで足下に突っ込んできてラインテンションを緩めて針はずしよった…』

結果的に10匹掛けて、1匹ラインブレイク、5匹を途中でばらす。
ランディング率は、4/10 = 40%



これら2日間の記録とデータからわかることは、

「どっちのリールを使っても、ニジマスをランディングできた確率はほとんど変わらない」

ということです。

う~ん・・・、
ハイテクリールは効果なかったのか?

どうなんでしょうねえ。

クラシックなリールの愛好家としては、
「してやったり!!」
って、ところなんですが・・・

騙されてはいけません!
30年以上「しょぼいリール(笑)」を使い続けていた人のテクニックを侮ってはダメですよ。


釣りをしながら川を遡行しているときの実感としては、ハイテクリールを使うと、フライフィッシングの過程全般にわたってラインの処理にあんまり気を使うこともなく、その結果、釣り自体がかなり楽になったように感じました。
ポイントまでの距離が変わったときや、次のポイントへと歩き始めるときに、伸ばしたラインの回収が素早くなる、ということが大きいですね。
これには、スプール径が大きい、というリールのフォルムが影響しています。

ドラグに関しては、魚との関係が膠着状態になったときに、「指ドラグ」に神経を使うことなしに、片手で竿を持っていればいい、という安楽さが大きいかなあ、って感じました。
そもそも、6X程度のティペットで逃走するニジマスを流れのなかで止められるはずもなく、ドラグがあろうとなかろうと、ほぼフリーラン状態にする以外に方法はないですから。

ここで、ある一定のテンションが掛かっていると、完全フリーのときと比較して魚が遠くまで走らないのか?
という疑問はありますが・・・
どうなんでしょ??
僕にはわかりません。
強いて言うならば、魚が止まりたくならないと止まらないので、流れのある川では関係ないような気がします。

ただ、川に入って魚を追いかけるときは楽ですね。
これも、ラインのテンションに気を使わなくてもいいからです。

よくわからないのは、こういった細いティペットでの釣りで使うドラグテンションの設定値ですね。
海ならば、ティペットの強度があるので設定はわりと簡単なのですが・・・


このブログを書きながら、気づいたのですが、
ハイテクリールを使うと、釣りが楽になるのは確かなようです。
ただ、それが釣果に影響するかといえば・・・

どうなんでしょうね~(笑)


今日までの段階では、
トラウトフィッシングに関しては、ハイテクリールのドラグ性能はともかくとして、ラージアーバーのメリットは、ものすごく大きいと感じました。

そして、僕は、この程度のメリットでは、リールが重かったら使わないよね~、ってこと。

ペイトやマクニースのトラウトモデルのような、高性能なドラグは付いているけど自重が重たいトラウト用のリールは、やはりアウト・オブ・デイトな骨董品の範疇に入ってるな、ということです。


まだまだ、続きます・・・









2013/05/16

ハイテクリールって、どうなの? その2

今日は、HATCH 3+ の内部構造を見てみました。

スプールを外すと、こんな感じ。
スプールはセンターにあるノブを緩めることで簡単に外れます。
工具は必要ありません。


次にドラグ部分を開けてみました。
購入時に添付されている6角レンチで簡単に分解できます。


ドラグシステムは簡単に分解できます。
フレームのセンターに見える6角柱にワンウエイベアリングが内蔵されていて、
この部分を上下に反転させることによって、簡単に巻き取りの方向を変更できます。


ドラグ部分を抜き出してみると・・・
う~ん、水滴が付いていました。

ということは、この部分の密閉は完全ではありませんね。


水滴が付いています・・・σ(--#)

ドラグ内部は、ステンレスプレートと摩擦材を何枚も重ね合わせています。

この、PLUS 3 リールの場合は、ステンレスのプレートとカーボン系の摩擦材の組み合わせが3セット使われています。

このドラグ内部を分解するには特殊な工具が必要なので、分解はここまでです。



文字が読みにくいですが、ワンウエイベアリングはドイツ製です。
でも、綿棒で擦っても取れない、錆っぽい汚れが・・・


このリールは中古で手に入れた物なので、前オーナーが使用している間に水分が侵入して錆びたものだと考えられます。

ちなみに、リール本体の表面の程度から見て、使用頻度は少なそうです。
侵入した水分が抜けにくそうな構造なので、このようになったのだと考えられます。

この部分を見る限り、このリールをソルトウォーターで使用するには、ちょっと考えさせられるものがありますね。
ドラグ機構が中途半端に密閉されているので、これって、どうなのかなあと思います。

使用後にざっと水で流してOKという感じで長い期間がたつと、知らないうちに内部にダメージが及んでいるかもしれないですね。
私見ですが、このリール、メンテナンスフリーではないと思います。



綿棒で示している部分に、
防水用のOリングが嵌められているのですが・・・
水分の侵入は防げなかったようです。

2013/05/15

ハイテクリールって、どうなの? その1

市川、神河CRエリアのニジマス
『HATCH 3+』

いちおうリールメーカーの末端に連なるものとして、ひさしぶりに興味を持ったリールがコイツです。

ウォーターワークスの系統もデザインは個性的で、性能的にも問題なかったのですが、クリックの樹脂パーツが丸見えなのが興ざめでした。

この Hatch リールですが、機械屋としても、大きなモデルにも小さなモデルと同じドラグパーツを用いて、ドラグプレートの組枚数を増やすことで摩擦の生じる接触面積を拡げて必要とするブレーキ能力に対応しているという合理性、そしてフレームとフットを一体で削りだしているというところに興味を持ちました。

でも、

「フットが曲がったらフレームも交換かい」

って、突っ込みたくもなりますが・・・それは置いといて、まず外観のチェック。

加工精度は、良好ですが、マシニングの切削痕が残っているなど、手間暇の掛かる仕上げには甘さがあるのはご愛敬、ってことにしておきましょう。
なんてったって、大量生産品ですもんね。

同じフレームに、ラージアーバーとミッドアーバーがあって、糸巻き量が違う設定になっています。
僕の手にしたコイツはどっちなんだろう?
パッケージにはスプールの違いが書かれていないので、比較せずに1台を見ただけではよくわかりません。

この個体は、100ヤードほどのバッキングを巻いて、DT4Fでちょうどです。


実際に使ってみてどうだったか、ですが、
ソルトウォーターでは強力で精度の高いドラグは必需品だと感じています。
でも、このサイズのリールにまでドラグは必要なのかな?
という疑問は、僕のなかではいまだに解消されていません。

僕は、もともと昔のハーディや両軸リールというシンプルなフライリールを使って数十年間のフライフィッシングをなんとかやってきているので、ラインを引き出すときにバックラッシュが起こるリールは論外としても、ソルトウォーター以外では、ドラグに関しては、あればいいな、とは思っていますが、ドラグを付けるために自重が重くなってまでは必要ないだろう、という程度に考えていました。

じゃあ、なんでこのリールを手に入れて使ってみたのか?
ですよね。

最近、近場に『市川、神河CRエリア』という大きなニジマスが釣れる釣り場ができたので、極めてシンプルな、最低限の機能しか持たせていない、自社(アルケミータックル)製のリールと比較して、最近のハイテクリールの使い勝手はどうなんだろう、という知識を得るための、単なる好奇心を満たすため、でした。
自分が使っていない物について、あれこれいうことは嫌いですから。

それと、大型のニジマスを掛けたあとで、あまりにもランディングの確率が低いのをリールを変えることで改善できるか?
という、ポジティブなリサーチも兼ねています。

続きます・・・



2013/03/14

Alchemy Tackle The Alchemy Japanese Trout #07




"The Alchemy Japanese Trout #07" のカタログを作ってみた。

いまのところ、売り物はこれ1個しかないのだけれど・・・


磨かれた金属の肌もいい、でも、使い込んで古びてくるとなんともいえない味が出てくる。
それが、表面処理をしていない金属のよさだと思います。

特に銅が主成分の合金はいい。

このリールに使っているブロンズ(青銅)もニッケルシルバー(洋白)も、
銅に何種類かの他の金属を混ぜた合金です。
ブラス(真鍮)も、おなじように銅の合金です。
混合の具合によって、色や特性が変わるのがおもしろいですね。


ちなみに、このリール、お値段は税込みで100,000円。

国内送料はサービスいたします。







2013/02/24

KINEYAさんのフライリール

京北のKINEYAさんで製作中のパーツは見たことがあったのですが、完成品を見るのは今回のビギナーズマムさんでの展示会でが初めてでした。

浅草であった、つるやさんの展示会で売れちゃったとばかり思っていたのですが、まだあったのでびっくりです。

このリールは、KINEYAの奥居さんが気が向いたときにだけ手間暇を掛けて作るスペシャルとでもいう逸品で、京都の著名な竹屋さんから入手したという、煤竹で装飾されています。
煤竹は、数十~数百年もの長い間家屋などに使われていた、年月の経過で枯淡な色に変化した茶道具などに使われる趣のある竹材です。


KINEYA Reed 33 Susu Patina






















フレームのニッケルシルバー表面に見られる緑青(あえて生成させたものです。ニッケルシルバーは簡単には錆びない金属です)が、アシンメトリーに貼られた煤竹の素材感と相まって、侘び寂さえをも感じさせるたたずまいです。

この、いっけん半完成品か壊れたユーズド品に見えるリールを作る、奥居さんのセンスには感心してしまいます。
こういう製品を見ていると、奥居さんの中に流れる京都人の美意識が感じられますね。

このリール、お値段の付いた市販品ではあるのですが、こういう面倒なぐらいに時間と手の掛かったものは価格では判断出来ない価値があると思います。

それに、奥居さんが今後同じものを作るとは思えませんから。

スマートフォンの写真なので、質感や存在感は伝わりにくいですね。
実物は手のひらに収まるぐらいの大きさで、凝縮された存在感がすばらしいです。




リールの裏側