ブログ(2011年以前の記事)の書庫は、こちらです。

『お道具&竹竿マニア』なアングラーが、フライフィッシングをキーワードに、
道具や森羅万象、さまざまなモノ、コト、を『辛口&主観的』な視点で書いています。

2013/02/27

ちょっと(いや・・・、かなり)驚いたこと。

Ardbeg 1973 / Kingsbury's




























アイラのモルトが好きで、10年ほど前にけっこう集めていたのだけれど、
ハードリカーの保管庫の整理をしていたら、こんなのが出てきた。
当時何本か買ってすぐ飲んだような記憶があるのだが、この1本は飲み忘れていたらしい。

最近は、年に一度ぐらいしかハードリカーを飲むことがなくなったので、ヤフオクにでも出して小遣いにしようと、いまの相場をググってみたら・・・


http://www.thewhiskyexchange.com/P-17726.aspx

Ardbeg 1973 / Kingsbury's
70cl / 47.4%
Islay Single Malt Scotch Whisky
Kingsbury's
A single cask 1973 vintage Ardbeg bottled by Kingsbury at 47.4%. This picked up an incredible 94 point average from the Malt Maniacs, with the lowest score from any of the tasters being an excellent 90/100.

£1,999.00
(£1,665.83 ex. VAT)

More Details:
CountryScotlandRegionIslayBottlerKingsbury'sBottling StatusDiscontinuedAge27 Year OldVintage1973No of Bottles228

Copyright © The Whisky Exchange 1999-2013 All Rights Reserved.
The Whisky Exchange is the registered trademark of Speciality Drinks Limited.
Registered in England and Wales (Company No. 4449145). Registered Office: Unit 7, Space Business Park, Abbey Road, Park Royal, London, NW10 7SU, UK.

・・・だと。

なんと、1,999ポンド!!

中国を中心としたアジアの経済が活発になってきてから、ビンテージワインがやたらと高騰していて困ったものだと思っていたのだが、ビンテージスコッチまで同じようになっていたらしい。

需要と供給の関係で価格が決まるとはいっても、コレは投機やねえ。
米国の友達が、有名どころのワインを樽買いして飲み頃になって売ったら、証券投資より儲かると言っていたが、このことだったんだ、といまさら驚く。

ただ、シンプルに考えると、これって、とても飲めるような金額じゃないよねえ。
というか、もう二度と買って飲もうという気にはなれない。

骨董品やビンテージの釣り具とはちがって、眺めていて楽しいものでもないし・・・






2013/02/24

KINEYAさんのフライリール

京北のKINEYAさんで製作中のパーツは見たことがあったのですが、完成品を見るのは今回のビギナーズマムさんでの展示会でが初めてでした。

浅草であった、つるやさんの展示会で売れちゃったとばかり思っていたのですが、まだあったのでびっくりです。

このリールは、KINEYAの奥居さんが気が向いたときにだけ手間暇を掛けて作るスペシャルとでもいう逸品で、京都の著名な竹屋さんから入手したという、煤竹で装飾されています。
煤竹は、数十~数百年もの長い間家屋などに使われていた、年月の経過で枯淡な色に変化した茶道具などに使われる趣のある竹材です。


KINEYA Reed 33 Susu Patina






















フレームのニッケルシルバー表面に見られる緑青(あえて生成させたものです。ニッケルシルバーは簡単には錆びない金属です)が、アシンメトリーに貼られた煤竹の素材感と相まって、侘び寂さえをも感じさせるたたずまいです。

この、いっけん半完成品か壊れたユーズド品に見えるリールを作る、奥居さんのセンスには感心してしまいます。
こういう製品を見ていると、奥居さんの中に流れる京都人の美意識が感じられますね。

このリール、お値段の付いた市販品ではあるのですが、こういう面倒なぐらいに時間と手の掛かったものは価格では判断出来ない価値があると思います。

それに、奥居さんが今後同じものを作るとは思えませんから。

スマートフォンの写真なので、質感や存在感は伝わりにくいですね。
実物は手のひらに収まるぐらいの大きさで、凝縮された存在感がすばらしいです。




リールの裏側






















2013/02/20

愛用のカップが・・・

Royal Copenhagen Blue Pheasant のマグカップが欠けてしまった。

ずっと愛用していたカップなのでこのまま使おうかとも思ったのだが、
試しに紅茶を入れて飲んでみると、右利きの僕にとって、まさに唇に触れる部分に欠けが出来てしまったので、このままでは使えない。

もっと高価なカップもいっぱいあるのだが、容量と、この口の部分の微妙な感触がよくて、家でゆっくりとお茶やコーヒーを飲むときにはこのカップばかり使っていたので、明日からのことを考えると気が重くなる。


不注意で欠けてしまった口縁



同じものをネットで探したのだが、少し古いものだし、Blue Pheasant は、短い期間しか作られていないので、いまのところ市場には出ていないようだ。

やれやれ、困ったもんだと思いながら、ものを修理するのが好きなこともあって、エポキシのパテみたいなもので成形しようかとも考えたのだが、熱い飲み物を入れて使うことを考えると有毒物質が染み出してきそうで気に入らない。
なにかいい方法はないかと考えているうちに、そういえば、漆を使った金継ぎという手法で骨董品や割れた茶碗などを直す、ということを思い出した。ただ、素人に漆が扱いきれるとも思えないし、そもそもどこで売っているのかもわからない。

ハンズに行けば漆も売っているのかもしれないけど(笑)

そんなわけで専門家に直してもらおうかと思ったのだが、
でも、そんないかにも高級そうな手法って、新しいものを買うより高くつくんじゃないか?
といぶかりながらも、Googleで検索を掛けると意外にもそこそこの値段で直してくれるらしい工房をいくつか発見した。

さっそく、見積もりを頼むメールを送ったのだが・・・

返事はまだない。

2013/02/19

毛布から創られたもの、2題。


厳密には毛布から出来ているとは言えないかもしれませんが・・・

イタリア軍御用達の毛布生地から作られた BrightliverMoss Bag と、
やっぱり毛布から作られたような、FILSON の Mackinaw Cruiser。

作られた時代も、その背景もまったく違うのですが、シンプルな素材と形のなかに道具としての機能が盛り込まれているところは同じなんじゃないかな。

Moss Bag と Mackinaw Cruiser




























フィルソンのジャケット、日本語では「マッキノウ」じゃなく「マッキーノ」と書くんですねえ。

僕は、ず~~~っと「マッキノウ」だとばかり思っていたのですが、
数十年前からそうだったんだろうか?
「レナード」と「レオナルド」みたいなものだったりして・・・。

フィルソンのマッキーノのことは、いまさら僕が説明することもないと思います。
重くて硬い密な毛布で作られた、北米の伝統的なフィールドジャケットです。

ブライトリバーのモスバッグについては入手時にFacebookに少しアップしたのですが、実物をご覧になられた方はあまりいらっしゃらないと思いますので、僕が実際にしばらく使ってみての感想などをもう少し書いてみようとおもいます。


Moss bag と、15 inch サイズのラップトップ






















2年ほど前の秋に「アートに触れる2日間」というイベントが京北であって、そこにブライトリバーの松本さんが参加されたのですが、そのテーブルに、ルアーなどのタックルと一緒にこの「モスバッグ」のシリーズが並べられていました。

そのなかにイタリア軍とフランス軍の使用する軍用毛布から作られた、というバッグがいくつかありました。

はじめて見たときから、このバッグにはすごく惹きつけられたのですが、いちおう主催者サイド?だった僕がお客様よりも先に買うわけにはいかず・・・、
なんて思っているうちに、
僕が目を付けていたイタリア軍用毛布製のバッグは売れてしまった。

このバッグは毛布からの生地の取り方や大きさなどでひとつずつ個性があるので、けっこうガッカリして、まあ、縁がなかったんだからしょうがないか、と、そのときはあきらめました。

今年になって、ずっと愛用していた古いパタゴニアのメッセンジャーバッグがさすがにくたびれてきたので買い換えようとパタゴニア大阪へ出向いたのですが、同じネーミングのバッグがなんともいえないデザインに変わっていたんです。
とてもじゃないが大人の持ち物とは思えない。
こういうときって、がっかりしますよね。

で、買わなかった。

そのときにふと、このモスバッグのことを思い出して、松本さんにメールしたのです。
在庫としてはないけど、製作した方に頼んで作ってもらえるとのことでした。

こういうのって、嬉しいですね。

仕事にも使うつもりだったので、15inchのラップトップが入るサイズで、とお願いしました。
で、やっとのことで手に入れたのが、このバッグです。

簡単に書くと、
毛布で作られたただの袋を折り返してスナップで止めただけ、
ともいえるのですが、
シンプルなものほど、それを魅力と機能性のある製品にするのが難しいことは、物づくりに携わったことがあるひとにとっては真理みたいなものです。

芯の入っていない、いっけんクタッとしたバッグですが、実際にはいろんな物を放り込めるのですごく使いやすいです。
またバッグとして持ったときに、カラダのラインで変形することによってバッグ自体がきれいなフォルムになる。
自転車に乗るときにも、カラダにフィットするのでブラブラしない。
けっこういいことずくめなバッグです。

ひとつ問題があるとすれば、小物を入れるためのポケットはあるものの、メインのコンパートメントがひとつの大きな袋なので、いろんな物をやたらと放り込むと探し出すのがたいへん?なことぐらいです。
それはこのバッグの形の美しさやフレキシブルさとの引き替えですから、僕にとっては、どうでもいいやって程度のことですけどね。




2013/02/18

はじめての市川、緒戦敗退。そして考えたこと。



ち~っとも、釣れる気がせんかった。
今日、ここには魚おらんかったもん。

すごく個人的な感想ではありますが、正直な気持ちです。

友人から、
『釣れへんで~、それでも行きたいんか』
と、念を押されてはいた。

アメリカでもニュージーランドでもそれなりにニジマスを釣ってきた経験から、
「そんなことないやろ、やり方さえ見つけたら絶対に釣れるはずや」
と、僕は思っていた。

養殖したニジマスを放り込んだ川やろ、そんなん簡単やん。・・・ってな感覚だった。
たとえ難しいとしても、僕は自分の経験の中から荒雄川みたいなものかと考えていたが、それさえも甘かった。

管理釣り場的な感覚でこの釣り場に来られ方は、よほどのよい状況に当たらなければ、失意のままにお帰りになるんじゃないかな、と思う。
はっきり申し上げて、そう簡単に釣れる釣り場じゃない。

ええことばっかり書き連ねる釣り雑誌に、またも欺された・・・
僕は魚よりもアホやん!!


そして、川を歩きながら、僕はいろいろと考えざるをえなかった。
だって、釣れないんやもん(笑)


いまの市川のフライエリアは、釣り人と地域の方々という、善意の人々の集まりから成り立っている。
駐車場の整備やアクセスポイントの設置など、地元の方の努力には頭が下がる。

ただ、まだまだプライベートな域を脱しているとは言い難い。
今後のことを考えると、この釣り場をどうしていくのかをもっと公の場に上げてそのなかで考え、例えばだが、漁業権を設定するなどの方法で管理していく方法をとらないと、いつのまにか自然になくなってしまうような気もする。

これまでにも、そういったケースを多数見聞きしてきたから。

立ち上げるのは盛り上がる情熱があるので簡単だ。
でも、それを継続させることは非常に難しい。
あの311のことですら、当事者でなければすでに記憶から薄れていってしまっているのがこの国の人々の特質だから。

ぶっちゃけて言うと、お金の収受がない≒責任がない、と考えることも出来るわけだ。
でも、お金を頂く=社会的、法的にオフィシャルなものにする必要がある。

寄付を募っている以上、お金の流れを見えるようにするためにその使途を明確にするのが大切だ。
そのうえで、たとえば予算と放流量の管理、その定着率や対費用効果の算出のために、入川した釣り人にその日の釣果や河川状況をロブブックに記載してもらう、などをすることも必要になってくるだろうし、やっぱりそれなりの経費は掛かるはずだ。
どんなことをするにも予算は必要だし、気持ちよく釣りが出来るつり場になら、釣り人(特にフライの方)はそれなりの対価を払う用意があると思う。


あえて言いにくいことを書かして頂いたのだが、
それは、このつり場を否定する気持ちから出たものではなく、

『少しでも前に進み始めた貴重なプロジェクトだからこそ、ぜひとも成功して欲しい』

との気持ちからのことなので、ご了解頂きたいと、僕は思う。
そして、そのための物事で僕に出来ることがあれば、たとえささやかなことしか出来ないとしても、どんなことでも協力させて頂くつもりもある。



頭を切り換えて、戦略的に釣った1匹
僕が釣ったわけではないけれど・・・

2013/02/14

ちょっとした小細工

すこし時間が出来たので、ブライトリバーの小型タックルボックスを少し加工してみました。


コーナーのエッジが鋭く尖っているのがわかるでしょうか。

全体の印象を考えて、ブライトリバーさんはあえてこの切りっぱなしのままで製品としていると思います。
製造物責任なんとかやらは、あえて無視して。
ブライトリバーの顧客は、そういうことを理解されているのでしょうね。
作るものと使うものとの幸せな関係が、そこから感じられます。

ここにRが付くと、たとえわずかなものでも印象が変わります。
人間の視覚って、コンマ数㎜の形状、それほど細かなものを無意識のうちに見分けているんですよ。

ただ、エッジ≒刃物ですから、そこに触れるものを傷つけてしまう可能性がありますよね。
濡れてふやけた指を切ったとか、大切なバッグが傷つくとか・・・
扱いがていねいならばそんなことも起きないのでしょうが、僕は扱いが雑なのでけっこうやってしまう。
僕は個人的にそういうのがいやなので、エッジをチョコッと加工してみました。




先ずは、手持ちの細工用ヤスリで削ってみましたが・・・

目が粗すぎて加工跡が凸凹になってしまいます。
これって気分悪いですね。






しょうがないので、耐水ペーパーで磨くことにしました。

これって、けっこうめんどくさい。
おまけに細かいダストで手もテーブルもけっこう汚れます。
食卓でやる作業じゃないですね。




で、できあがったのがこれ。

多少ユルくはなりますが、我慢の出来る範囲でしょう。
ただ、時間が掛かるので暇を見つけては少しずつ、って感じです。

2013/02/13

タックルボックス

ブライトリバーの松本さんから荷物が届きました。皮革製のブックカバーのようなモノに入った金属製の箱。本来は、ルアーを入れるアルミ製のタックルボックスなのだそうだ。小型のタックルボックスを上質なレザーで作られたケースに入れるという発想。正直言って、ぶったまげた。
でも、モノとして、もの凄くそそられる。

神はディテールに宿る、ってどこかの建築家の言葉にある。
このボックスとケースにはそんな言葉が似合うような気がする。




ボックスを出し入れするときに負担の掛かる端っこには補強のステッチが。



僕も機械屋の端くれ(笑)
アルミ板をシャーリングでぶった切って、プレスで曲げ、リベットで止める。
ただそれだけの加工に、技術が見える。


この金具も、あえて作らせたのだろう。
こういう、ある意味ダサい部品は汎用品にはないのだから。


刻印にもコストが掛かってますね。

さて、なにを入れよう・・・

考えてから買えばいいのに、って言われるのはわかっているんです。
でも、モノに魅入られるっていうこともありますよね。

ただ、シャーリングで切り落としたまんまのアルミのエッジはちょっと鋭すぎて、
釣り場で水にふやけた皮膚を切っちゃうかも・・・、っていう懸念はありますね。

僕は、アルミの素材を傷つけないように、エッジだけをピンポイントで研磨しようと思っています。
そうやって手を入れるのも楽しみのうちですから。


SNAPLIGHT
Snaplight Leather Case