1980年代の"Mario Wojnicki"のグラスロッドです。
当時の"Scott"や"Winston"などの西海岸製のグラスロッドと同じ、Kennedy Fisher"のグラスブランクが使われているようです。
ちなみに、素材はEグラスでしょう。
このロッドは、長さ8.3フィート、5番ライン用の2ピース2ティップ仕様の竿ですが、それらの2本のティップは、写真に見られるように、それぞれに"DRY"と"WET"の表記があるディフェレント・ティップになっています。
このブログにこの竿を取り上げたのは、コレクションやお宝の公開という意味ではありません。
(だって、このマリオは僕の竿じゃないのです)
このところ、ちょっとコレはいいんじゃないか、と思う何本かのグラスロッドに出会ったことが切っ掛けになって、
自分の中で、コレは!と思ったグラスロッドを片っ端から振ってみて、
『グラスロッドのエッセンスを抽出してみよう』
というプロジェクトを企んでいるからです。
記憶の中のグラスロッドをいま振ってみてどうなのか、
そして、いまグラスロッドを使ってフライフィッシングをすることにどんな意味があるのか。
意味があるのなら、どのようなグラスロッドが、なにをするために必要なのか。
それが知りたいのです。
そして、自分なりのベストなグラスロッドというモノを見つけ出したい。
『なかったら、創ってしまえ』
なんて、ことになるかもしれません。
バンブーロッドの安価な代用としてのグラスロッドじゃ、面白くないですもんね。
このフェルールの感じ、 なんとなく San Francisco 時代の Scott のような・・・ |
この竿は、"Paul Young"の名竿、"Parabolic 15"をグラスロッドで表現しようとした竿だといわれています。
実際に振った感触は、僕の記憶の中の、ズドンとした大砲のようなパラ15やサマーズの856とはかなり異なっていて、このマリオの竿はかなり軽快に感じました。
バンブーロッドであるパラ15は、軽量なポールヤング時代のものといえども、さすがに自重がかなりあって、川で長時間使い続けるには体力的な無理がありましたが、この竿はグラスロッドなのでそこまでの自重がないので僕の中では実用範囲に入ります。
ヤングのパラボリック系のアクションをベースにした竿でディフェレント・ティップの付いた竿、ほぼすべてに渡る印象なのですが、
「ドライティップはあくまでサブ的なもので、本来のティップはウエットティップなのではないか」
と、この種のロッドを振る度にいつも感じていました。
そして、この竿からも、やはり同じような印象を受け取りました。
ウエットティップを使ったときと比較すると、どうにも、ドライティップの方は竿の先っぽだけがヘコヘコとした感じで弱く、いいかげんに振るとラインが暴れるような感じがして完成度が低いように思うのですね。
そのティップの違和感から来るフライラインの乱れは、もちろん、振り方で制御はできるのですが、やはり、めんどくさい。
べつに、ウエットティップにドライフライを付けて釣っても、なんの問題もないと思うのですが・・・
なぜ、こんなドライティップが付いているのか、ちょっと理解不能なところがありますね。
ティップだけを使って、かなりの近距離でドライフライを使う、ということなんですかねえ?
それとも、ドライフライを使うときにはラインの番手をひとつ落として軽いフライラインを使う、ということなんでしょうか?
まあ、そもそもウエットティップという意味も僕にはよくわからないのですが、ウエットフライ用というよりは、遠投用、重いライン用、という感じを受けます。
もしくは、ヘビーなニンフを付けたタックルを使うためなのかもしれませんね。
当時の文献をよく読めばなにか得るものがあると思うのですが、いつも斜め読みなので未だにドライティップとウエットティップの意味がよくわかっていません。
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