グラスロッドを作るときのモデルにした竿、その1
MARIO WOJNICKI 217P4 オーナーネーム入り |
1970年代の終わり頃に作られた、WINSTON のいわゆるストーカーシリーズのグラスロッドや、SCOTT POWER PLY のグラスロッドは当時から持っていて、それなりに気に入ってはいたのだけれど、グラファイトロッドや良くできた竹竿を使うようになってからはほとんど使うこともなく、そのうちに1本2本と手元から離れていくことになってしまいました。
あるとき、MARIO WOJNICKI とメールで遣り取りをしているなかで、すごくいいパラボリックのグラスロッドを作ったんだ、と聞いてオーダーしたのがこの竿でした。
MARIO WOJNICKI 217P4 7'2" #4 LINE |
この竿は、Mario がありもののブランクを改造したオリジナルロッドではなく、まったくオリジナルのブランクから作った竿だそうで、グラスやグラファイトロッドでは他に類のない逆テーパー構造のバットを持っています。
そのためもあってか、これまでに使ったどのグラスロッドともあきらかに違う感触を持っていました。
グラスロッドに詳しい方の分析によると、この竿の素材はEグラスで、ブランクはラミグラス製であろうということです。
この217P4は、グラスロッドによくある鈍くモッタリした感触や、キャスティングするときにロッドのダルさを感じることがなく、キャスティング中の振幅にブレを感じることもありませんでした。
また大きな魚をランディングするときに胴ブレがすることもありません。
ブレがないということは、製造過程でスパインのコントロールが巧くなされているということです。
例えるとすれば、良くできた竹竿のように抜けがよく、スラックの入らないラインをスムーズに伸ばし、フッキングした魚をスムーズにランディングすることのできる竿でした。
全体的なアクションはマリオの説明どおり、確かにパラボリックで、それにもかかわらず持ち重りも感じません。その頃持っていた往年の Russ Peak のグラスロッドよりも優れていると感じた唯一の竿でした。
これは、Russ Peak のグラスロッドが劣っているということではなく、同じグラスロッドとはいえ、現行の GFRP がより高密度で高強度な樹脂から構成されているゆえに、同じ強度や反発特性を得るために使用する材料の総重量が軽くなっているからだ、と考えています。
簡単に言えば、同じアクションの竿(まったく同じではありませんが)を作ると、より軽くできるということですね。
フライロッドの場合、必ずしも軽ければいいというわけではないようですが、竿を軽くすることのいちばんのメリットは、モーメントが小さくなるので、ロッドティップを加速しやすく、静止させやすいことです。それゆえに設計の自由度が上がることは間違いないと思います。
この竿を手にしてから、再びグラスロッドに興味を感じて、Mario の他のモデルを始め、SCOTTの新しいグラスロッドなど数本を買ってはみたものの、どの竿も一長一短でどこかに不満を感じてしまい、トータルとしての性能では、この217P4以上のグラスロッドは見つからないままになっていました。
竹竿のなかには、同じメーカーの手による竿でも、まれに『これは他のものとは違って断然凄い』と感じるお宝ロッドが存在するのですが、この217P4はあきらかにその類の竿でした。
グラスロッドの場合、ブランクが同じモデルにおける個体差は非常に小さいはずなので、217P4という竿がお宝ロッドだという可能性が強いと思います。
ちなみに、僕がグラスロッドを作るときの参考にした、他の個体の217P4も、やはり凄くいいアクションの竿でした。
はじめてコメントさせていただきます。
返信削除一言、「こんな竿振ってみたいなぁ」でした。
きっと、いいのでしょうね。
グラスロッドは持ってないので、わからないのですが・・・
昔的ですと、やわらかいのかな~・・・