お正月が終わって、やっと日常のスケジュールに戻ったある日、
「あけましておめでとうございます。なんか凄いものが届きましたよ!!」
というメッセージがフェイスブックに。
それが、これだったのです。
エングレーブを施された、 Alchemy Japanese Trout Reel |
いまから1年以上前のことです。
某タックルメーカーさんの事務所で、金属部分にエングレーブを施されたベイトロッドのグリップを目にした瞬間に、そのエングレーブの放つ魅力に引き込まれてしまいました。
そのエングレーブが、この国の銃器彫刻における第一人者の手になるものだと聞いたときに、カスタムナイフのコレクションを持っていたこともあり、エングレーバーの名前に閃くものがありました。
まさかとは思いながらも、その方のお名前をうかがってみると、やはりというか、想像通りのお名前がでてきたので納得するとともに、あの竹内重利氏が釣りの道具にエングレーブをしていた、ということに驚いてしまいました。
というのは、ご面識はないまでも、いろいろと耳に入る噂では、竹内重利氏は昨今ではほとんど仕事を受けることはない、よほど気に入った銃器にしか彫刻をしない、一見のお客さんからの仕事は受けない、などなど、釣りの道具や、まして私には縁のない方だと思ってたからです。
そのグリップを見ながらエングレーブのことをいろいろ話しているうちに、ふと、手持ちのバイメタル(ブロンズとニッケルシルバー)で作ったフライリールにエングレーブを施してみたくなり、そのことを尋ねてみると、
「どうなるかはわからないけど、竹内さんに頼んでみましょうか」
「え、ほんとですか、こんど来るときにリールを持ってきますね」
という風なやりとりで、とにかくリールをお預けすることになりました。
竹内氏からはなんの音沙汰もないまま1年以上が過ぎていきました。
それが、今年になって突然、この作品が届いたのです。
昨年の後半から、グラスロッドを作ることに集中していたので、竹内氏の元に預けていたこのリールのことは、ほとんど忘れていました。
事務所に行って、このリールを初めて目にして手に取ったとき、その存在感の強さと、インパクトの強さにゾクッとして、全身の毛が逆立つような感触が走りました。
竹内重利氏の施したエングレーブは、それほど凄かった。
このリールは、オリジナルとはまったく別物となって帰って来たのです。
「お預かりして竹内さんに送ったものの、気に入ったものにしかお仕事をされないという方なので、実際に仕事をしてくださるかどうかは半信半疑だったのですよ」
「実際のところ、あまり仕事は受けていらっしゃらないですし、頼まれても断った、という話ばかり聞きますしね」
「このリールはすぐに送り返されてはこなかったので、どうなのかなあ、とは思っていたのですが、よかったです」
「竹内さんは、なにか、このリールに感じるものがおありだったのでしょうね、きっと、このデザインが形になるまでに時間が掛かったのでしょう」
などと聞くと、素材のリールがよかったんだ、と嬉しくなりました。
なにしろ、このリール、私のショップの製品ですからね。
なにしろ、このリール、私のショップの製品ですからね。
ENGRAVED BY S. TAKEUCHI 竹内重利氏のサインが入っています。 おそらく、日本にただ1台しかない、竹内重利氏の彫刻が施されたフライリールです。 |
あ、実物はもっと凄いですよ。
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